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デザインの見方

ジャン・ポール・グード その濃厚なビジュアルがもたらす美しく夢を見ているような感覚

西岡範敏

○CD/澁谷克彦
○AD/高橋 歩
○D/髙礒恵子、三浦遊
○撮影/ジャン・ポール・グード

2011年、フランスへ撮影に行ったときに、パリ装飾芸術美術館で開催されていたジャン・ポール・グードの回顧展「グードマリオン」を見ました。会場の真ん中にディスプレイされていたのは蒸気機関車。その周りを、ドレスを着た女性たちがまるでぜんまい仕掛けのようにくるくると回っている。ある部屋では、フランスの百貨店ギャラリー・ラファイエットのイメージビジュアルを展示。人や電車が行きかう駅に掲出されているビジュアルを撮影し、部屋全体を取り囲むように設置されたモニターにはその映像が映しだされている。館内にはシャネル、ディオールといったハイブランドのビジュアル、アーティスト グレース・ジョーンズのグラフィックなど、ありとあらゆる作品が展示されており、まるでファンタジーの世界に身を投じたよう。僕はこの回顧展で、一気にグードに魅せられてしまったんです。

作品もさることながら僕が驚かされたのは、彼のスケッチ。かなりデフォルメされているものもあるのですが、見るだけで彼が何をやりたいか、意図が理解できる。普通なら「そんなの無理」と思うようなスケッチばかりですが …

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