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今月のソーシャルプロジェクト

子ども虐待防止のために、親のサポートを呼びかける

オレンジリボン運動「保護者の保護を。」

01 イベント用ポスターおよび雑誌広告として出稿。
オレンジリボンは子ども虐待防止運動の旗印。

子ども虐待防止のために
親のサポートを呼びかける

「子どもへの虐待。それは、親からのSOSでもある。」「その子にとっていちばんの傷は、親が犯罪者になったことでした。」「子育てが、孤育てになっていた。」――残念ながら、子ども虐待のニュースは私たちにとって身近なものになってしまった。だが、このコピーは普段のニュースとは少し違う角度で、子ども虐待の問題について考えるきっかけを与えてくれる。

この広告シリーズは、子ども虐待防止を目的とした活動を行うNPO団体「児童虐待防止全国ネットワーク」の啓発ポスターシリーズだ。企画したのは、アサツー ディ・ケイのコピーライター 青木一真さん。以前関西支社に赴任していた際、子ども虐待防止をテーマにしたプレゼンに参加し、当事者にヒアリングしたり、事件について調べたことが関心のきっかけになったという。

調査を進める中で行きついた結論は「親の置かれた育児環境を改善し、サポートしなければ根本的な解決にはならない」ということ。ここから「保護者の保護を。」というタグラインが生まれた。このタグラインを持って児童虐待防止全国ネットワークを訪ねたところ、「未然防止の啓発はまさに今私たちが伝えられていないところ。やらなければいけないと思っていた」との賛同を得て、親の育児支援をテーマにした広告制作を共に進めることになった。

この広告は現在、同NPOのイベントにポスター掲出するだけでなく、女性誌からビジネス誌まで多数の雑誌にも掲載されている。「社内でメディアプランナーに相談して、露出の仕方を一緒に考えてもらったんです」。活動の意義を話すことで共感してくれた担当者が、媒体社の担当者に話をし、そこでまた共感が生まれ、雑誌での出稿が実現した。「他にも、Webメディアの編集者を紹介してくれたり。それぞれの人が義務感ではなく自分の意志で協力してくれる。こうした活動が求められていることを実感しています」。

子ども虐待に限らず、今後もさまざまなテーマで社会課題にスポットを当てる活動をしていきたいと青木さんは考えている。こうした活動を続けることが、クライアントの広告制作にも重要な“社会を見つめる目線”を忘れずに持ち続けることにつながると感じるからだ。

  • 企画制作:アサツー ディ・ケイ+アストラカン大阪
  • CD:河内一仁
  • CD+C:青木一真
  • AD:松本明
  • D:杉江康介
  • 撮影:寺田智也
  • MP:宮武俊介
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