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デザイン起点のクリエイティブディレクション

世の中にあるすべてのものは「伝える」ための手段

徳田祐司

商品開発やブランディングを数多く手がける徳田祐司さんは、「ゴールが見えるストーリー」と「メッセージの視覚化」を自身の関わる仕事で常に掲げている。それぞれの企業やブランドを他にはない唯一なものに導くために徳田さんが考えるクリエティブディレクションとは?

徳田祐司(とくだ・ゆうじ)
1990 年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業、同年電通入社。2001年ケッセルスクライマー(オランダ)に勤務。07年電通を退社、canariaを設立。独自にpeace design project「retired weapons」を展開している。これまでの主な仕事に、フローフシ「モテマスカラ」「モテライナー」、ジャパンゲートウェイ「choice!」、日本コカ・コーラ「いろはす」など。

他のブランドにはないものを提供する

昨年から担当しているフローフシ「モテマスカラ」が、発売2カ月で150万本を突破したというニュースが届きました。その数に驚いたと同時に、うれしさでいっぱいになりました。なぜなら、これはボトル、パッケージ、ポスター、CM、店頭の什器やツール、さらにはWebやイベントまで、すべてをカナリアで担当させていただいた商品。この1年間、クライアントと密に進めてきた中で、自分たちとしては他のブランドにはない独自なものを世の中に提供できたと実感していたからです。

この仕事は「自分たちのブランドを見てほしい」というご依頼から始まりました。ものづくりには自信がある、流通にも足繁く通っている、でもデザイン、広告などコミュニケーションについては、現状に満足していない。今後、商品を刷新していく中で、きちんとコミュニケーションをし、ブランドを確立していきたい、というお話でした。世の中に数多ある広告会社、パッケージやブランディングの会社の中から、僕らカナリアを選んでいただき、とてもうれしかったことを覚えています。

フローフシさんの仕事は、モテマスカラが売上日本一になったキャンペーンから始まりました。そこからさらに勢いがつき、昨年10月にモテマスカラとモテライナーのパッケージや周辺の什器などをフルモデルチェンジしました。僕が担当する以前から商品に対する専門家や販売店の評価は高く、その効果も顧客には認められていた商品。開発時「ドラッグストア以上、百貨店未満」というテーマを設定していましたが …

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