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デザイン起点のクリエイティブディレクション

常に問うているのは、その解決方法に必然性はあるかどうか。

八木義博

「デザインとは、そのものが本来あるべき姿に戻すこと」と八木義博さんは話す。海外でも高い評価を受ける八木さんのデザインは、ロジカルに、その本質に向かって徹底して考えぬくことから生まれている。

八木義博(やぎ・よしひろ)
1977年京都生まれ。京都造形芸術大学 情報デザイン学科卒業。電通CDC局アートディレクター/クリエーティブディレクター。最近の主な仕事に、JR東日本「行くぜ、東北。」、日本郵政グループ企業広告、メニコン、アド・ミュージアム東京など。

感覚ではなく、ロジカルに考える

海外広告賞などで入賞した僕の仕事を見た人から、「グラフィック的」と評されることがあります。どうやら感覚的につくっているように見えるようです。でも、決してそうではなく、「なぜこのかたちになるのか」、その理由を考えて、考えて答えを出すタイプ。ロジカルに考えるから、「この感じが気持ちいい」というだけではデザインを決められない。その狭間で時々苦しくなることがあります。

そういう思考を持つようになったのは、これまで一緒に仕事をしたクリエイティブディレクターたちの影響も大きいと思います。中でも古川裕也さん、髙崎卓馬さん、原野守弘さんは、みなロジカルに考える人たち。上辺だけの形を出すと、ことごとく「わからない」「意味がない」と言われました。彼らがどう思うかを意識する一方で、仲のいいグラフィックデザイナーたちの視線も気になる。だから、CDとグラフィックデザイナー、どちらからの視線にも耐えうるものをつくらなくてはと思い、自然にそういう組み立て方をしていったような気がします。海外広告賞に入賞できるようになったのも …

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