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デザイン起点のクリエイティブディレクション

広告にエモーショナルなメッセージを込める

石井 原

この春リブランディングを図り、斬新なダンスチューンにリミックスされたテーマソングと共に始まったキリンメッツの新CM。クリエイティブディレクター/アートディレクターの石井原さんは、「ブランドが本来持つDNAを現代に合う形で進化させた」と話す。

石井 原(いしい・げん)
1969年生まれ。博報堂を経て2005年風とバラッドに参加、11年ネアンデルタール設立。これまでの主な仕事に、キリンビバレッジ「メッツコーラ」「FIRE」、日清食品「カップヌードル」SURVIVE!、BEAMS 35th「恋をしましょう BEAMS」、日産自動車「JUKE」THE NEW STORY、宝島社企業広告など。

新商品で提案したカラー戦略

3月にフルリニューアルしたキリンの炭酸飲料「メッツ」のブランディングを手がけました。80年代に絶大な人気のあった「メッツ」ブランドの再起をかけ、定番のグレープフルーツ味を含め、さまざまなフレーバーを続々と展開していく予定です。キリンからの最初のオリエンは「FUN TO LIFE.」。近年炭酸飲料も多様化し、ヘルシー志向も相まって、微炭酸、カロリーゼロなど、ストイックな炭酸も増えていますが、その市場にあらためて炭酸本来の楽しさを伝え、刺激があり、なおかつ日常的にヘルシーに飲むことができる飲料を投入したい、開発チームにはそんな思いがありました。

この仕事はコピーライター 中村聖子さんと2人で取り組んでいます。炭酸の強い刺激やフルーツフレーバーの楽しさを表現するにあたり、僕らが提案したのが「ニッポンを元気にする“カラー”戦略」。アニメ、アイドル、オタク、ゆるキャラというように、いまや世界で注目されている日本のポップカルチャーを代表するヒーローたちが次々とコミュニケーションに登場し、刺激的でビビッドな色彩と彼らの個性(カラー)が弾けまくる、爽快なキャンペーンを考えました。

これまで飲料の広告であれば、一人のタレントでブランドの顔をつくることが多かった。でも、メッツのターゲットである若者や炭酸ユーザーは、もうそんなことでは反応しない。いま必ずしも“マス”が絶対という時代ではなくなっています。反対に …

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