愛媛県松山市を拠点とする村田葬儀社は、今年創業101年を迎えた企業。10年以上にわたり、コピーを中心とした広告を地元で展開し続けている。
言葉を大事につくる広告
同社は、2003年に90周年を迎えたことを機に、企業広告を出稿した。そのコピーは「いちばん悲しいはずの人が、いちばん忙しいお葬式は悲しい。」。「当時、葬祭をビジネスとする企業が広告を出稿するのは、まだ珍しかったと思います。人の思いに寄り添ってきた企業だからこそ、きちんと思いが伝わる言葉で広告したい。そんな明確な意志を、当時の社長、役員の方々は持っていました」と話すのは、コピーを書いた電通西日本松山支社 板東英樹さん。こうした企業が広告を出稿することに対する非難も想定されたが、このコピーは当時、地元の取引先や生活者からこれまでにない反響を得たという。そして、これがひとつのきっかけとなり、同社のいまの広告制作の流れが生まれた。
定期的に制作しているのは、同社が実施している「ぬいぐるみ供養祭」の広告。それ以外は、その都度、案件に関する広告を制作している。「こうした業種の広告は自分としても初めて。勉強しながらの取り組みでしたが ...