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シェアされる動画 その発想と企画

動画を最後まできちんとみてもらうために、つくり手は何をするべきか

川村真司(PARTY)

Web動画の可能性が広がる一方で、「最後まで見る気にならない」「面白くない」という声も聞こえてくる。まさにいま発展途上にあるWeb動画。まだ課題も多い。その価値を高めていくためには、視聴者や環境に対する理解を深めると同時につくり手の意識の変換も必要だ。BOVA審査員を務める川村真司さんは、「Web動画がクリエイティブの場として面白くなるかどうかは、いまのつくり手にかかっている」という。

アイデアに対する最適な尺を考える

最近、Web動画について気になっていることが、いくつかあります。一つは、1ビューが本当にKPIにつながるのか、ということ。その動画が話題になったかどうか、その多くは再生回数で語られますが、はたして本当にそうなのだろうか。面白くないと思ったり、むかつくと思って見たものも、結局同じ1ビューになってしまうわけですから。見たくなる動機をつくって、最後まで見てもらったことは事実ですが、本当にブランドの価値に貢献するものが提供できているか。ブランディングとして効果があったのかといえば、決してそんなことはないですよね。

もう一つは、動画の長さです。最近10分を超える企業動画も増えています。目的にもよりますが、個人的には長ければよいというものではないと思っています。10分、15分の長さになれば、クリエイターは表現の可能性が広がると期待をしてしまいがちです。でも、長尺になればなるほど、一発アイデアでは持たない。見る側の視聴態度も映像の長さで変わりますから、きちんと最後まで見てもらおうと思ったら、1分増えるごとに、面白さを倍々に増していく必要があります。

そしてそもそも15秒のCMの延長で考えないほうがいい。その発想を切り替えて ...

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