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シェアされる動画 その発想と企画

クリエイターのネームバリューでアクセスのきっかけをつくる

西日本新聞社・経済電子版「qBiz」

この1年を代表する動画の一つがオートウェイの「雪道コワイ」。九州発のこの動画は、日本全国のみならず、海外でも話題を集めた。それに続くべく、九州からユニークな動画作品が登場した。6組のクリエイターを起用し、月替わりでWeb動画を制作したのは福岡・西日本新聞。これらの動画は、地方であっても面白い動画をつくれば見てもらえることを実証している。



01 左俊幸さん企画の「カッパ」篇

新聞社らしからぬ取り組み

左俊幸さん(電通九州)、眞鍋海里さん(BBDO J WEST)、中島信也さん(東北新社 Suudonn)と同ユニットの藤井麻王さん、山本高史さん、江上裕章さん、黒田秀樹さん――。会社も住んでいる地域も違う、これらのクリエイターたちに共通しているのは、九州にゆかりがあるということ。そんな6組のクリエイターを起用し、動画を制作したのは福岡・西日本新聞だ。目的は、同社の経済電子版「qBiz(キュービズ)」の認知を高めること。「とにかく福岡でも、誰もqBizという名前すら知らなかった」と話すのは、総合プロデューサーを務めた電通九州のクリエ―ティブディレクター 植原政信さん。

qBizのキャンペーンは、動画を開始する1年前に始まった。創刊1周年を迎えるにあたり、記念イベント「九州企業 CMライブ!!~経営と広告のカンケイ」を開催。同時にqBizのキャッチフレーズ募集のコンテストを実施した。2000通を超える応募の中から選ばれたキャッチフレーズは「いい野菜は、八百屋が知っている。」。情報を野菜にたとえて鮮度を表現したコピーである。「予想以上の応募があり、イベントとしては盛り上がりましたが、qBizの認知としてはまだこれから。さらに一歩進んで会員登録もしてほしい。そこでさらなる認知を高めるべく、電子版との親和性の高い動画コンテンツを制作し、それを「qBiz」という箱の中に蓄積していくことで、見てもらうきっかけをつくってはどうか。ひいては、それによってqBizというブランドを確立していければ、と考えました」(植原さん)。

制作にあたってのルールは、一つだけ ...

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