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美容広告の常識を覆す大胆な『変顔』広告

POLA POLA APEX「鏡を、疑え。」

スキンケアからベースメークまでの個肌対応カウンセリングブランド「アペックス・アイ」が「アペックス」に改名し、7月、装いも新たに発売。ビューティをエンターテインメントに。女性の顔をレーダーチャート化したコミュニケーションが話題を呼んだ。

01 新聞広告(15段)

ポーラレディの意識を高め、販売促進を
後押しするコミュニケーション

1989年からの約25年間、肌分析センターで培ってきた1500万件の肌データをもとに詳細な肌分析を行い、256万通りのスキンケア、3600通りのメークからアドバイザーのカウンセリングのもと一人ひとりに適合したスキンケアを提案している「アペックス」。今回のリニューアルにともない、ブランドコミュニケーションを一新している。企画制作はライトパブリシティ+もり。テレビCM、OOH、新聞、雑誌、中吊りなど広範囲で広告展開したほか、店舗、Tシャツやツール類も作成。全国に約14万人いる美容販売員のポーラレディをメディア化すると同時に、ポーラレディの意識を高め、販売促進を後押しするインナーコミュニケーションの目的もあった。

女性の顔をレーダーチャート化したビジュアルが強く印象に残るこのアイデアを考えたのは、もりのCD 原野守弘さん。「美容広告の常識を覆すことを考えました。美しいモデルや女優さんがにっこりと商品を推奨、みたいなよくある広告ではなく、商品の本質を捉えた上で、エンターテインメント性をマックスに。アペックスは肌の奥深くまで全層分析するのですが、それは、その人の真の姿、真のアイデンティティをあぶり出すということ。分析結果のチャートに沿って一人ひとりの顔を変顔にするアイデアはそこから生まれました」。

ビジュアル制作にあたり、独自のソフトウェアを開発してシミュレーションを行った。しかし、そのままでは少しグロテスク。グラフィックとして定着させるほどの強さがなかったため、顔の歪み具合を少しずつ手作業で調整していった。「ユーモラスさと美しさ、そして個性をすべて共存させる絶妙なバランスが求められました」(ライトパブリシティ AD 鈴木奈々瀬さん)。

「鏡を、疑え。」というコピーは、鏡に映らない美しさに気づきを与えると同時に、ポーラレディが顧客とセールストークしやすい言葉を選んでいる。「精神的な気持ちの美しさと肌全層分析で明らかになる肌の美しさは肉眼では視認できません。コピーにはそういう二重の意味が込めてあります」(ライトパブリシティ コピーライター山根哲也さん)。

ここまで振り切った表現は日本の広告では珍しい。実現できたのも ...

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