今年6月、関東と関西、名古屋の一部地域で、配布された120段の新聞折込広告。これは、ダイハツ工業が発売した新型コペンの広告だ。従来にはない新しいサービスを掲げたコペンを通して、ダイハツは企業としてのメッセージを伝えた。
自分らしさを表現できるクルマ
折込広告の表紙に描かれていたのは、ピンクのロゴマーク。中を開くと「LOVE LOCAL」というメッセージとともに、「ダイハツがつくっていくのは、これからのローカルライフです。」というステートメントが記されている。これはダイハツ工業が6月に発売した軽オープンスポーツカー「COPEN(以下、コペン)」の広告だ。新型コペンの発売にあたり、同社はあらためて顧客に提供できる新しい価値を追求。そして、企画開発から製造、営業や店頭の現場、さらにはコミュニケーションまで、従来のやり方を大きく変えた。その際に重視したのが、「自分らしさを表現できる車」であること。そのキーワードとして「LOVE LOCAL」が掲げられた。
そこにいたる背景を、コミュニケーションにおけるクリエイティブディレクターを務めた喜馬克治さんは次のように説明する。「2002年の発売時、コペンは軽自動車としては画期的な存在で、いまだに根強いファンが多く、コミュニティも発達している独自のスタンスを持つクルマです。しかし、新たに開発するにあたり、開発チームは試行錯誤したと聞いています。なぜなら ...