「うちで踊ろう」(2020年、星野源)他
名言ヅラしていなくて、みんなのおもちゃになるようなコピーが好きです。「ダッダーン」は幼稚園でゲラゲラ笑いながら真似していた、原体験とも言えるコピー。当時はダダンというのが商品名だということも知らず、ただ語感が面白くてひたすら繰り返していたのですが、それってコピーの究極の到達点ではないかと思うのです。意味がないけれど魅力的な言葉には今でも強い憧れがあります。
名作コピーの時間
東日本旅客鉄道/1993年
○C/太田恵美
J-PHONE/1997年
○C/岡康道
サントリー/1988年
○C/一倉宏
京都生まれの父と母は、長い休みになると、いつも祖父母のいる京都に、私たち姉弟を連れて帰った。ある時、いつものように京都駅に降り立つと、大きなポスターが貼ってある。「そうだ 京都、行こう。」のポスターだった。その時は「ふーん」くらいに思っただけだったけれど(太田さんごめんなさい)、休みが終わって地元に帰ると、何かが変わっていた。その広告がある前は「京都に帰る」と友だちに言っても、年寄くさい、線香くさい、それよりディズニーランド行ったんだけどさ、みたいな反応だったのが、そのCMが流れ出した以降は、みんなが口々に「うらやましい」と言う。以前と以後、世界は変わった。コピーの持つ力に、初めて出会ったのが、このポスターだった思う。
その出会いに感謝して ...