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ディレクターに聞く キャスティングの裏側

気鋭のディレクター佐藤渉が明かす「カレーメシ」のCM

佐藤 渉

なぜか気になってしまうクセのあるCMを数多く手がけるTYOクリエイティブセンターの佐藤渉さん。その人たちにもともと“備わっているもの”を無駄にしない。

佐藤 渉(さとう・わたる)
TYOグループ クリエイティブセンター所属。2006年入社。ソフトバンク、京楽栄開発SUNSHINE SAKAE、ソニー、リーボックジャパン、日清食品、東京ガスなど数多くのCMを手がける。Adfest New Director部門ゴールド、Spikes Asia Direction部門ゴールド、Clio AwardsFilm部門シルバーなど受賞歴多数。

キャスティングは“見ため”が8割

日清食品から4月に発売されたカレーメシのCMは、放映されるやいなや「ブッ飛んでる」「シュールすぎる」とネットで話題に。演出を手がけた佐藤渉さんはこう話す。「基本的にテレビの前の人はCMを見ていないという前提に立って考えます。視聴者を振り向かせるためにはCMの中に彼らにとって初めて出会う何かが必要なんです。今まで見たことのない映像やストーリー、聞いたことのないセリフ、音楽、SEなど、気になってしまう新しい要素を必ず何か入れるようにしています」。カレーメシのCMでは、ただの商品説明で終わらないように音と画にあえてギャップをつけた演出をしている。お腹を空かせた少年を救うためにやってきたカレーメシくんが少年を踏んづけたり、水を入れるだけと言いながら全く水が入っていなかったり。また、実写からミニチュア、アニメの世界への急激なステージの変化や、ジャスティスという謎の決め台詞によってCM全体としてカオティックな雰囲気をつくりあげている。キャストもギャルやいか八朗さんなど個性的なキャラクターが続々と登場する。

キャスティングは8割方、見ためで選んでいる。「演技は芝居をつければできるようになりますが、見ための印象やその人が持っている雰囲気は変えられません。一瞬で引きつけることが求められるCMではキャラクターの強さが必要です」。

一方、 ...

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