01 「オバマの言葉」(2011年/制作Juan Osborne)
2009年1月から11年11月までの間に、オバマ大統領が使った8000語をビジュアライズしたもの。文字の大きさで、使われた頻度を現している。あまり使われなかった言葉は、頻度に従って次第に細くなる枝で現されている。
数字や文字が載せられた“樹木の本”
オバマ大統領のスピーチを視覚化したらどうなるか?マーケティング会社と広告会社が作ったブログは、どんな図形になるだろう?スマホのスクリーンに触れた指の跡は、絵画化できるだろうか?
こんなことに興味のある人は、今年の頭に発行された『ザ・ブック・オブ・ツリー』(樹木の本)という本を開いてみるといい。植物の本かと早合点した人も多かったようだが、この本を開けてみると、どうもそうではないらしい。確かに、本の中には樹木をモチーフにした多くのデザインやイラストが載っているが、それらの樹木には、さまざまな数字やデザイン、ロゴ、言葉などが、まるで木に咲く花のように付いている。この美しく、不可思議な本は、いま、米国だけでなく、世界のマーケティング業界が関心を持ち、利用している“インフォグラフィックス”と呼ばれる情報表現テクニックに関する本なのである。著者はインフォグラフィックスの教祖と言われるマニュエル・リマ。数年前にインフォグラフィックスの系統だった解説を試みたベストセラー『ビジュアル・コンプレクシティ』(同名タイトルで日本語版もある)を出版し、「インフォグラフィックスは科学か、それともアートか?」という議論を巻き起こした。
『ビジュアル・コンプレクシティ』の後編ともいえる『ザ・ブック・オブ・ツリー』の主旨は、いまではさまざまなフォームや様式を取っているインフォグラフィックスが、実は人類の誕生と共にあった樹木の形から始まっていることを説いたものだ。「知識の枝を視覚化する」というサブタイトルでも判るように、枝を四方に広げた樹木は、そのままヒエラルキー、順位、系列、系統、歴史、大小、関係、その他ものもろのものを分かりやすく表現することに使われてきた。
02 「ブログ・ツリー/新芽」(2012年/制作Leslie Brodshow, Jesse Thomas他)
新しくローンチしたブログをビジュアライズしたもの。それぞれの葉がそれぞれのブログを表している。ビジターの頻度は色で識別。オレンジが一番ビジターの頻度が高く、濃い緑が最も頻度の少ないもの。