普段、本を読んでいますか?ノウハウ本ばかり読んでいたり、ヒットチャートから口当たりのよい本ばかり選んだりしていませんか。クリエイティブに向かう姿勢を正し、体幹を鍛えてくれるような本が読みたい。広告・デザインの世界で活躍する10人のクリエイターが紹介する、アイデアの基礎力をつけるための30冊。GWのお出かけのお供に、いかがでしょうか。
レイアウトが語る著者の気遣い
「店頭でザッピング的に本を読むのが好きで、朝から晩まで書店にいることもあります」というのは、グッドデザインカンパニー 水野学さん。小説、ビジネス書、マンガ、デザイン関連本、参考書まで、あらゆるジャンルの本を読む。その中で手に取るのは、世の中で話題になっている本、自分の興味がある作家の本、そしてもうひとつ、タイトルと装丁デザインがよい本。「僕は自分の知識量に自信がないので、店頭で自分が知らない人の本に出会ったときは、自分が知らないだけで、世の中では有名な人かもしれないと思って接するようにしています」。それらを買う前に必ず店頭で見るのは、装丁デザイン、本文のレイアウト、目次の項目、そして最後に著者のプロフィール。ときにはその場で最初の章を読んでから、買うかどうかを決める。「装丁や本文のレイアウトはアートディレクターとしての見方もありますが、著者がどんな人か見定める僕なりの基準でもあるんです。本文が読みやすいレイアウトは、そこに著者の、読者に対する気遣いがある。だから、きっと本文もよい内容なのではないかと思って買うことがあります」。