プロ・アマ問わず、コピー1本で競い合うC-1グランプリ。今回の課題は年頭にふさわしく、「さあ、生まれよう!」と思ってもらうコピー。2013年度TCC賞を受賞した廣瀬大さんと井戸正和さんがじっくりと取り組み、選んだその結果は!?

廣瀬「いや~、たくさんのコピーを見るって勉強になりますね」
井戸「この切り口こうしたら、もっとよくなるかも!と応募作を勝手にアレンジして自分たちで書いてみたり...」
廣瀬「すごく楽しくて。やっぱ生まれてくるもんだな!って思っちゃった」
井戸「ま、そういう時間じゃないんだけどね」
廣瀬「...」
井戸「今回の課題って、生きることへの問いみたいなものだから、難しかったかも」
廣瀬「ちょっと難しすぎたと反省しました。結構切り口がかぶりましたから」
井戸「でも、かぶる切り口って、多くの人の共感ポイントなんだ!って思った」
廣瀬「そうそう。切り口を見つけたうえで、どれだけ自分に厳しくなれるかも大切だと感じました」
井戸「もう一歩踏み出せば、そこを突き抜けるってことがあるのかも。あと、思ったのは本当にこのコピーは人を動かすか? その自問が大切なんだな~って」
廣瀬「今回2人がこれだ!と思えるコピーが見つからず、グランプリはなしにしました。応募してくださった皆様、すみません。でもたくさんのコピーに出逢えて、嬉しかったです。ありがとうございました」
井戸「無茶な課題に挑戦してくださった皆様、本当にありがとうございました」

出題テーマ:「さあ、生まれよう!」と思ってもらうコピー

グランプリ
該当なし

迷ったのですが、該当なしとさせていただきました。世界の本質をとらえた、この課題へのこたえとなるコピーを、いつか私たちも書けたらと思います。皆様、ありがとうございました。


生きることが辛いだけなら、ヒトはここまで増えてはいない。
山下英夫(C.C.レマン)
あ、そうなのかも。と素直に思えたコピーでした。自分たちが気づいていない世の中の「本当のこと」にちょっと触れた気がしました。とても好きなコピーです。
いきなり主役です。
鈴木淳文
「突然、そんなこと言われても」と思いつつ、このコピーを軸にいろいろな企画が生まれそうな予感がしました。企画のベクトルとなるシンプルで強いコピー。かつ、発見もあって好きです。

全身が局部を通る、最後のチャンス
川良友香(パラドックス・クリエイティブ)
生まれる前にあれこれ悩んでた赤ちゃんもバカバカしくなるくらい別の角度からの剛速球的「生まれようぜ」アピールが、なんだか効いちゃうんじゃないかと思ってしまいました。
時代を変えるには、数が要る。
西野入慎吾
この憂鬱な世界は、これから生まれる自分たちのために用意された舞台なのだ、と言わんばかりのスケール感のあるコピーに脱帽しました。もしかしたらグランプリでもよかったのかも。
ファイナリスト
「切ない」という感情は、生きてみないと分からない。
守谷直紀(グループ現代)
桃から出ないと、鬼は倒せない。
長竹慶祥(慶應義塾大学)
人妻の母乳を飲もう。
日野原良行(ズームデザイン)
こちらの世界が汚いと思うのは大人のエゴかもしれません。
三村友香
パパがようやく病院に着いたみたいだ。
時田あゆみ(リクルートコミュニケーションズ)
本当に見たいもの、そこから見える?
表ゆう子
ROUND91 テーマ発表!
「大阪に転勤したくなるコピー」

今から約20年前、新入社員が一堂に集められ配属先が発表される緊張の瞬間。東京出身の同期の女子に言い渡されたのが「○○○子、関西支社」の言葉。泣き崩れる女子。心配する東京の同期達。あんまり腹が立ったので「俺の生まれ育った関西に行くんが、泣くほど嬉しいんかいボケ!」と言うてやりました。とにかくホンマに関西に転勤したくなるコピーをお待ちしています。もう二度と僕に「ボケ!」って言わせんといてください。
出題者:中尾孝年
クリエーティブディレクター/コピーライター/CMプランナー 受賞歴:Canne Lions 2010年銀賞、2012年銀賞、Spikes Asia2012年金賞、銀賞、OCC最高賞、他 主な仕事:「アイスの実」江口愛実登場/AKB48殺人事件、「ポッキー」デビルニノ、「エディオン」セリーヌエディオン/「ニキビ疾患啓発」、「ニキビ疾患啓発」もしも、ブラマヨの吉田がもっと早く皮フ科へ行っていたら...など。2004年TCC入会。
ゲスト:河西智彦
クリエイティブディレクター/コピーライター/CMプランナー。Canne Lions a金賞、Spikes Asia金賞、グッドデザイン大賞、OCC最高賞、朝日広告賞準グランプリ、毎日広告賞準グランプリ、ACC賞シルバー多数、TCC新人賞、TIAA銀賞など。最近の仕事:ひらかたパーク、UHA味覚糖「グミガーム」、トヨタ自動車、IWATTEなど。2010年TCC入会。

C-1グランプリ 応募受付ウェブサイト
https://www.sendenkaigi.com/c-1/
※応募方法を必ずお読みいただいてからご応募ください。
From TCC
今年もいよいよ、TCC賞の応募受付が始まります。2014年度の審査方針は、「そのコピーがない世界とそのコピーがある世界。何が変わりますか?」です。(全文はTCCWebサイトでどうぞ!)ほんとうにいいコピーは、人の心にちゃんと響き、世の中の何かを動かし、変えていったはず。そんな力作コピーの応募を、お待ちしております。また今回は、グラフィック作品のデータ提出がオンラインアップロードのみになるなど、応募の仕組みについて、一部変更があります。応募時に慌てないためにも、ぜひ事前のチェックをお願いします。詳細はTCCのWebサイトをご覧ください。
イラストレーション:イトウツヨシ