スーパーボウルCMに学べ
毎年11月と12月は、アメリカの小売業にとって、その年の決算が黒字になるかどうかを決める重要な2カ月間だ。この2カ月を「小売業のスーパーボウル」と呼ぶ人もいる。事実、一年間の広告予算のほとんどをこの2カ月に投入する広告主も多く、その意味では、スーパーボウルに匹敵する膨大な予算が広告活動に投入されるのだ。
予算だけでなく、この時期に登場するホリデー広告には、スーパーボウルCMからノウハウを見習っているものも多い。どんぐりの背比べのようなたくさんのCMの中で消費者の心をつかみ、話題になり、願わくばバイラルでヒットするにはどうするか。特に2013年は、遅い感謝祭のため、クリスマスまでの日数が22日しかなく(前年は1カ月あった)、ホリデー・セール期間としては非常に短い。この間に消費者の心と懐に訴えることは、例年以上に難しい。そこで、しばしばこういったいくつかの難関を通りこして成功することの多いスーパーボウルを参考にするのだ。
とはいえ、当然、ホリデー広告は、その年、その時期の社会的ムードや経済的条件を反映している。多少の経済的な回復を見せているとはいえ、いまだ何となく不安定な気分を味わっている13年の米国は、ホリデー広告にも、そのムードを映し出しており、3つのトレンドが挙げられる。