本質を一本の線に託す
>京都市立芸術大学の2回生の頃、初めてクロッキーで裸婦のモデルを描く機会がありました。「デッサンは何回も線を重ねたり消したりしながらじっくり描くもので、クロッキーは好きな画材で素早く線を決めて短時間で描くもの」。当時の私はそんなふうに解釈し、鉛筆でクロッキーをしてみましたが、思った通りに描けませんでした。
デザインの見方
1992年、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで葛西薫さんによる「AERO(エアロ)」という展覧会が開催されたのですが、これはその展覧会のポスターと、実際に展示されていた作品です。
当時僕は美大の2年生で、正直広告の世界には興味がありませんでした。イギリスのグラフィックデザイナー ネヴィル・ブロディの作品に強く惹かれていて、彼の手がけたレコードジャケットのデザインやファッション雑誌のアートディレクションに興味があった。例えば彼の『The Graphic Language』という作品集は僕のバイブルだったんです。
そんな中で、ある日「AERO」のポスターを見て、強く心を惹かれた。おそらくその頃は葛西さんの名前も知っていたかどうか怪しいのですが、それにもかかわらずポスターを目にしたことで実際にギャラリーまで足を運んだし、そこでまた強く衝撃を受けたわけです。