マインズ農業協同組合(JAマインズ)は今年、多磨支店の建て直しをきっかけに、新たにVIを制作した。当初はVIを予定していなかったこともあり、デザインそのものではなく、"デザインの必要性" を説くプレゼンがなされた。
サイン計画からVIの自主提案へ
東京都府中市に本拠を置く農業協同組合「JAマインズ」は、組合員や地域住民へ向け、農業資材の販売や、銀行・保険などのサービスを提供している。
今年新たに開発されたVIのそもそもの発端は、建て直された多磨支店のサイン計画であった。JAマインズは銀行や保険、法律相談、資産管理、資材販売など、30以上の多岐にわたる事業を行っており、施設内にも各サービスを提供する窓口が複数存在し、非常に複雑な仕組みを持つ。
6Dのグラフィックデザイナー木住野彰悟さんが依頼されたのは、そのサイン計画。
しかし木住野さんは、事業が複雑ゆえにVIが必要という根本の課題を知り、各サービスをビジュアル化したVIを制作することで、複雑なサービスをシンプルに表現してはどうかと考えた。「サイン計画という当初の目的に対しても、今後JAマインズがどう見られたいかを考えるきっかけとしても、そして類似施設との差別化を図る意味でも、VIは必要だと考えました」。
ビジュアル化するうえでまず必要だと考えたのは、複雑な組織をシンプルに表現すると共に、「親しみやすさ」を加えることだ。