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デザインのロジカルプレゼン

ロジックでは大きな方向性を伝える

田中 元(電通)

田中 元

電通 コミュニケーション・デザイン・センター

たなか・げん
アートディレクター、クリエーティブディレクター。武蔵野美術大学空間演出デザイン卒。主な仕事に東京ガス、角川文庫、マクドナルド、大塚製薬、イー・モバイル、貞子3D、JOYSOUND、富士山を世界遺産にする国民会議ほか。

シンプルなロジックに支えられたデザインは、その分見る人に伝わるスピードも速い。逆に複雑な説明が必要なデザインは、それだけ伝わりづらいものになる。プレゼンで必要なのはシンプルなロジックに支えられた、大きな方向性を指し示すことだと電通 田中元さんは話す。

シンプルで強いロジックがいい

広告をつくるときに大切なのは、伝わるスピードが速いことだと僕は考えています。短い時間の中で、商品の特性やイメージを伝えなければいけない。基本的に世の中の人たちは広告をじっくり見る気持ちなんて持っていないし、いまはスマホでインターネットを見ていた方が面白い情報もつまっている。そんな人たちへなるべく近道で届けるために、パッと伝わる表現にしたいと思っています。

そして伝わるスピードが速いということは、その分そこにあるロジックもシンプルで力強いものである必要があるんです。間に複雑なロジックが入ってくると、どうしても伝わるスピードが遅くなります。だから打ち合わせやプレゼンで説明が長くなってしまうようなデザインは、その時点でいいものとは言えないということです。そういうデザインは世の中に出たときも、パッと伝わるものにはならない。だからなるべくシンプルに、近道で行こうというのが僕の考えです。そういう前提で、デザインをつくる上でまず大切なのは、なるべくシンプルに商品や会社が持っている特性や世界観をつかむことです。それがオリエンで"掘り下げていく" 作業ですね。僕がよくするのは、例えば社長がいったいどんな人なのか、その人となりを聞くことです。オリエン資料にある文章ではわからない好みやセンスを探ります。なぜかというと、その会社がそれまで培ってきた世界観や体質というのは、やはり社長や会長といったキーマンが握っているものだからです。

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