客観的なデータと動的なビジュアルとが融合したインフォモーションに、さらにインタラクティブの要素を加えたら?データビジュアルが、それを見た人たちの行動によって変化し、その変化がまた、人々の次の行動を変化させていく...そんな次の時代のインフォモーションのあり方を感じさせるインスタレーションがグーグルのカンファレンスで披露された。
10の100乗通りのカクテル
グーグルが2013年8月に開催した開発者向けイベント「Google I/Oカンファレンス」。ここで、「Makr Shakr」と名づけられたインスタレーションが登場した。主役はバーテンダーロボ。およそ1グーゴル(10の100乗)通りのカクテルを、クラウドソースを活用して用意できるロボットだ。
開発したのはMITセンサブル・シティ・ラボ。プロジェクトにはコカ・コーラやバカルディが協賛している。
このインスタレーションでロボットと並んで重要な鍵となるのは、カクテルを注文するアプリ。プロジェクトのアイデンティティ、データ・ビジュアライゼーションのデザインと共にニューヨークのクリエイティブエージェンシー Pentagramのエディ・オパラさんが担当した。
MITセンサブル・シティ・ラボが開発した「Makr Shakr」の目的は、人間のバーテンダーをロボットで置き換えることではない。目的は、ソーシャル上のインタラクションが生み出し、消費するものの変化を探ることにある。ロボが生み出す無数の「カクテル」は、デジタル制御された生産システムが生み出すプロダクトの例。このシステムがもたらす新たな可能性を人々がどのように受け入れるかを見るためのものだ。