IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

私のクリエイティブディレクション論

「答え」だけでなく、「問い」を提示する

大岩直人(電通)

第一線のクリエイティブディレクターが考える、その役割と理想形とは。今回登場するのは、異能のアーティストとのコラボレーションを積極的に手がける大岩直人さん。「キュレーション」の手法を取り入れ、新たな広告コミュニケーションを生み出そうとしている。

大岩直人 おおいわ・なおと
電通 コミュニケーション・デザイン・センター クリエーティブディレクター、キュレーター。一橋大学卒。美術史専攻。電通に入社し空間デザイン部門を経て1997年よりクリエーティブ部門へ。98年インビジョンアワードグランプリ、2005年NYワンショー金賞、07年カンヌ広告祭銀賞。カンヌライオンズ、NYワンショー・インタラクティブ、アドフェスト、東京インタラクティブ・アド・アワードほか、国内外の広告賞審査員を歴任。最近は各分野のアーティストとのコラボレーション、キュレーション&ディレクションに携わることが多い。

―― 大岩さんの最近の仕事について教えてください。

最近は、「キュレーション」をテーマにしたクリエイティブディレクションをしたいと考えています。旧来的な広告の枠組みにとどまるクリエイティブディレクションでもなく、単なるプロデュースでもなく、異分野の才能を組み合わせ、新たなcocreativeを生み出していけたら。そういう意味での「キュレーション」です。才能を組み合わせるという面で「ディレクション」よりも、「キュレーション」が、しっくりくるように思います。

もともと大学では美術史を専攻していたので、キュレーターになろうと思っていました。電通に入社したての頃、まだ世の中にあまりいなかった空間プランナーという肩書きで仕事をしたのも、実はその延長線上のつもりだったんです。

1990年代後半以降、デジタル表現に関心を持ち、多くのインタラクティブキャンペーンに携わりました。目新しかったですし、未開拓の分野だったので。けれどデジタルはもう、世の中でもベーシックな存在になりました。いくら「広告で新たな取り組み」といっても、メディアアートの領域では、既に古いアイデアであることがしばしば。アートと広告の世界の時間的ギャップを感じるようになったので、少し距離を置くようにしています。

いま、沖縄県のアジアにおけるグローバルブランディングを3年間続けています。

重点都市が香港、上海と移行し、去年は台北でした。メディアでのアプローチだけでなく、イベントを実施して、体感的な映像を作ったり、アンテナショップのインテリアデザインをしたり。人々を取り巻く空間全体を設計しています。そうした意味では、原点に戻りつつあるのかもしれません。

今年3月には、沖縄グローバル観光ブランディングとして、英クリエイティブユニット「tomato」を起用した「Be. Okinawa」キャンペーンをスタートしました。

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